情報・交流事業 | 神奈川県産業技術センター
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更新日:2012.11.19

情報・交流事業

8-1 情報・交流事業

 この事業は、県産業技術総合研究所が手掛ける事業の4本柱の1つである重要事業として位置付けられている。

技術情報収集・提供、知的所有権センター、産学公交流研究発表会・フォーラム、団体支援、シンポジウム・セミナー等交流、一般公開、サイエンスサマー等 イベント、所内見学、工芸技術センターにおける対応、「テクノナレッジ・ネットワーク」への参画等、11項目にわたり見渡すと、「県内中小企業への技術支 援として多彩な事業展開を行っている」(2001年7月「機関評価資料」記述)という自己評価も一応、うなずける。

が、全体に総花的な事業、ルーティン・ワークに追われているように映る。 幅広いサービス対応のためにはやむを得ない側面があるにしても、特にルーティ ン・ワーク部分で利用状況を見ると、県技術情報データベース、知的所有権センターの利用など一部を除けば、総体的に停滞感が見られる。ニーズに合った軽重 を勘案した、メリハリをつけた運営が望まれる。

私の専門分野である新聞掲載事例について言えば、「もっと活用を」と望みたい。産総研の新聞掲載記事一覧には産総研以外の記事も含まれ、産総研自体の新 聞への情報発信が2000年42件(「機関評価資料」統計)というのは、少々少ないのでは、と映る。ここ数年の変遷を見ても、ピークの1998年には64 件を数え、漸減傾向にある。

しかも、この中にはいわゆるお知らせ記事も含まれている。地域産業活性化のため、地元中小企業の「技術開発のパートナー」として、支援する本来のもっと “中身の濃い”産総研業務・研究・事業面でどれだけ、地域に貢献しているかを示すアピール材料としては、足りないのではないか、との感想を抱かざるを得な い。

開発自体がニュースになる場合、産総研活動への理解を深めるための情報発   信などケースによって扱いは異なるが、いずれにしても、コンスタントに、継続的に幅広く、情報発信することが、広報活動の秘訣だ。

その場合、心得るべきは対象によって、発信内容・方法を使い分けることだ。例えば、中小企業に対して、専門的な情報発信をする場合、情報の受け手は一定 レベルの知識は持っているわけだから、専門用語でも理解を得られるし、発信媒体は、新聞でいえば専門紙、業界紙の方が適切だろう。

これに対して一般県民向けに興味・関心を呼ぶ情報として発信する場合はまた異なる手法で、媒体は一般紙がいい。その場合「しろうとの目線」を大事にして ほしい。専門家集団はとかく「それは常識」の思い込みをしがちだ。が、専門家は世間では少数だ。例えば「高校生にも分かるように」の基本姿勢がほしい。

さらに、強調したいのは、通常発表は記者クラブへの資料配布で済ませるにしても、ここぞという場面では、発信者はもっと“熱意”を示してほしい。記者ク ラブに出向き発表、きちんと説明したり、あるいはさらに詳細な説明のため、産総研に来所してもらって、実験・実演をしながらアピールする場合もあろう。そ の都度、記者クラブ加盟記者、あるいは新聞(放送)各社の現地責任者と直接連絡を取り、フェース・トゥ・フェースで説明する努力こそが奏効する、というこ とだ。その点でも、ニュースの軽重を計りながら、メリハリを付けながらの発信が必要だ。

その際、広報担当者にはセンスが問われる。以前、民営化した日本電信電話会社(NTT)に移った民間出身の真藤恒社長は着任早々、「仲間内しか通用しな いNTT語で話すな」と訓示したと聞く。専門家集団にあって、なお平易な言葉で説明できる人材が欠かせない。県央のある大学病院では広報担当者に新聞記者 経験者を起用しているが、病院の責任者が病院のマスコミ対策として、適切な“通訳”が必要、と判断したためだ。

例えば、病院が新たな治療法を開発した場合、その説明は医師の専門用語を駆使したものになるのは当然だ。学術会議で説明する分にはそれで一向に構わない が、それを一般県民に伝えるには一定の“技術”が要る。基礎知識のない人たちへ分かりやすく、専門用語をかみ砕いて、時に比喩(ひゆ)を交えながら、理解 してもらう作業となる。

しかも、情報発信は重層的に、継続的にすることが肝要だ。1回発信したから、こと足れりでは成果はおぼつかない。無論、新聞(一般紙、専門紙、業界紙を 含めて)ばかりでなく、専門雑誌、インターネット、産総研機関誌、そして新しいメディア、あらゆる媒体を通じた情報公開も常に考慮、工夫し、実施し、成果 を上げてほしい。 (鴇田委員)

8-2 総合評価

 県産業技術総合研究所の全体的な評価について述べさせていただく。

少し厳しい言い方になるが、地元中小企業にとって、産総研の存在がどれだけ大きなもの、必要不可欠な存在に思われているか、である。逆説的に言えば、仮 になくなったとき、地元企業はどれほど困るのか、他に相談事を持ち込むところはあるのか、ないのか、だ。

県の総体的な人員削減、予算削減のすう勢は今後も変わらない。とみるべきだろう。仮に税収が今後、かなり改善されたとしても、その分が産総研に回ってく るかどうかは分からない。回ってこないという前提で将来を考えた方がいい。要員、組織面でひずみを起こしていることは示されたデータで理解できる。

が、第1に「この予算、人員ではこれしかできない」という発想から脱却しなければ、展望は開けない、ということを強調しておきたい。少なくとも民間企業 の発想は違うし、それでなくては難局は打開できない。「この厳しい条件下でどうしたら、実現可能になるか」と考えてほしい、ということだ。

第2に何のための存在か、を産総研所長から第一線1人ひとり、さらに県庁担当部署の面々まで共通認識を持ってほしい、ということだ。「地元中小企業のた めに」を忘れないでほしい。「お客」あっての存在であることを常に念頭に置いておいてほしい。裏返せば、客のニーズに応えて初めて存在意義を主張できる、 ということだ。

1つだけ例示する。受託研究が研究費企業持ちでありながら、現実は12月までに申し込まないと受けてもらえない、と聞いて仰天した。歳入・歳出の関係だ そうだが、その実態は民間の理解を超える。なぜ年度末まで受け付けられないのか。“独占”だから許されるのか。仮に競合機関があれば仕事はサービスの勝る 方に取られてしまうではないか。官庁の業務とはいえ、民間発想なくして21世紀は乗り切れまい。

欲を言えば切りがない。要は限られた条件下でいかに仕事をこなすか、だ。 その際、流通業に例えれば、限られた売り場面積のデパートが従来通り、「百貨 店」として今後も続けて行くのか、それとも品ぞろえとしては「八十貨店」 に絞り込み、高感度の、新鮮な、他にない独自商品をそろえるのか、十二分に 議 論すべきところだろう。地元神奈川の特性は何か、今後伸ばすべき針路はどちらか。「限られた予算・人員」の大前提で、優先順位をどう考えるのか、県内はも ちろん、県外も含め、他の機関との連携・補完をどう考えるのか、を検証した上で結論を出すべきだろう。 (鴇田委員)




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