研究者、技術者のための、もう一度、数学

研究者、技術者のための、もう一度、数学

≪対象者≫

●企業、研究機関にご所属で、業務の中でシミュレーションや解析を行いながら、この計算の根拠がわからない、と悩む方。
●そもそもコンピュータとは何か、数学を使って考えてみたい方
●計算機の中で動いている論理についてきちんと知りたい方
●数値シミュレーションの基盤となっている数学を知りたい方
●学生時代は何の役に立つのかわからず数学に対する興味を失ってしまったが、社会に出てからその必要性を再認識している方
●生命科学・医療・環境・流通など、諸分野の課題を数学的手法で解決できたら・・・と考える方

開催日時

平成28年6月7日(火) ~ 10日(金)
全日程4日間  (2日間の選択受講も承ります。)

募集人員

15名(先着順にて承ります)

お申し込み受付は終了いたしました。

開催場所

かながわサイエンスパーク (KSP) 内 会議室
(川崎市高津区坂戸3-2-1)
◆ JR南武線「武蔵溝ノ口」・東急田園都市線「溝の口」下車
>> Mapはこちら
◆ JR「新横浜駅」から「溝の口」行き直通バス「高津中学校入口」下車

受講料

全日程 各編2日間の受講
A 一般 63,000円 35,000円
B KAST法人賛助会員 50,400円 28,000円
C 神奈川県内中小企業
(本社または事業所が神奈川県内にあり、資本金が3億円以下 または企業全体の従業員が300人以下である企業 )
D C以外の神奈川県内企業 56,700円 31,500円
E 神奈川県内在住の個人の方

カリキュラム編成者からのメッセージ

 現代の科学技術は、その多くが陰に陽に数学に依拠しています。日常生活でそれを意識することはほとんどないものの、何かを作ろう、改良しようという立場にある人にとって、数学とのつきあいは避けては通れません。また、イノベーションを起こすには一つの分野を極めるだけでは済まず、多くの分野の協働が不可欠です。ここでも諸科学の共通言語、「数学」に必ず向き合うこととなります。

 数学との「つきあい」の歴史も人さまざまです。あまりよい思い出を持っておられない方も多いかもしれません。しかし今になって日々の業務で様々な問題に直面し、「数学をちゃんとやっていたらなぁ」と思うことも少なくないのではないでしょうか?そのような方々を思い浮かべつつ企画した本講座は、
 (1) 社会に出た今だからこそわかる実例と結びつけ、大学の数学の復習を中心に進める講義(担当:水藤)、
 (2) 数値シミュレーションの基盤となる解析学の話題を掘り下げる講義(担当:齊藤)、
 (3) 計算機科学の基礎となる論理学について学ぶ講義(担当:蓮尾)、

の3つから構成されています。

 比較的とっつきやすい(1) に始まり、(2) では有限要素法を題材に、その数学的な意味をとことん考えます。 (3) は、大学の数学ではおそらくあまりなじみのない論理学を紹介します。日々の業務の中でシミュレーションや解析について悩む多くの方々にとって、これらの講義を聞いたからと言ってすぐにそれが解決するわけではもちろんありませんが、「なぜ?」を真剣に考えるための重要な拠り所を提供できると考えています。

 比較的少人数の講座として、わからないことも質問しやすい雰囲気を作りたいと思います。「もう一度数学がやりたい!」という方々とお会いできるのを楽しみにしています。

カリキュラム内容と日程

≪数学的思考とシミュレーションの基礎編≫

6月7日(火)
10:30~12:00  流れの数値シミュレーションと大学での微分積分

 流れのシミュレーションを題材に、大学で習った微分積分学との関係を紹介します。微分方程式の性質と実際の現象の特徴との関係、部分積分の意味、フーリエ変換の理解、微分方程式を差分法や有限要素法で近似すること、座標変換による複雑な形状の表現などを取り上げ、高校や大学で習った微積分学の復習をしつつ、次のより高度な講義への準備とします。

岡山大学大学院 環境生命科学研究科 教授・博士(工学)  水藤寛

13:10~14:40

 数値計算に潜むトラップ

 数値計算法に関する定理を題材に、具体的な計算例と反例を検討します。そして、バブシュカのパラドックスと呼ばれる不思議な数理的な現象を紹介します。これは、ある問題(偏微分方程式)の近似解を正しく求めているにもかかわらず、なぜかまったく違う問題の近似解を正しく求めてしまう、というパラドックスで、数値シミュレーションで得られた解の信頼性を考える上で貴重な点を示唆しています。

東京大学大学院 数理科学研究科 准教授・博士(理学)  齊藤宣一

15:00~16:30

 微分できない関数を微分する:超関数と関数空間

 シュワルツの意味での超関数、とくに超関数の意味での導関数を導入してその性質を検討します。そのあと、ソボレフ空間の導入をします。数学的な定理の内容について理解する趣旨で、証明の概略を適宜説明します。

東京大学大学院 数理科学研究科 准教授・博士(理学)  齊藤宣一
6月8日(水)
10:30~12:00  流れの数値シミュレーションと大学での線形代数

 大規模シミュレーションに出てくる線形計算、「連立方程式を解くこと」を題材に、大学で習った線形代数学を復習します。対称行列と反対称行列への分解、掃き出し法、行列式、直交化、固有値固有ベクトルなどが、実際の問題に役に立っている例を示していきます。

岡山大学大学院 環境生命科学研究科 教授・博士(工学)  水藤寛

13:10~14:40

 解は存在するか?:関数解析入門

 関数解析学における定理の中でも最も応用で役立つものの一つである、射影定理を説明して、偏微分方程式の変分法的定式化について述べます。

東京大学大学院 数理科学研究科 准教授・博士(理学)  齊藤宣一

15:00~16:30

 有限要素法の数理

 有限要素法の数学的理論を概観します。最後に、バブシュカのパラドックスを再検討します。

東京大学大学院 数理科学研究科 准教授・博士(理学)  齊藤宣一

≪言語としての数学と論理学編≫

6月9日(木)
10:30~12:00  流れの数値シミュレーションと大学での線形代数

 シミュレーション結果の可視化に必要な微分積分、線形代数、ベクトル解析などを紹介し、数字の羅列が絵としてどのように表現されるのかを示しながら、それらの数学の必要性を述べていきます。

岡山大学大学院 環境生命科学研究科 教授・博士(工学)  水藤寛
13:10~14:40  数学の限界について数学的に考える: 論理学入門

 論理学の入門です。「数学のできること、できないこと」について、この問い自体を数学的に考えることの面白さを取り上げて紹介します。

東京大学大学院 情報理工学系研究科 准教授・PhD  蓮尾一郎

15:00~16:30

 Hoare 論理によるプログラム検証入門

 論理学の応用の一例として、プログラムの正しさを証明するための論理体系Hoare論理を取り上げます。

東京大学大学院 情報理工学系研究科 准教授・PhD  蓮尾一郎
6月10日(金)

10:30~12:00

 「臨床医療と数学の協働:事例紹介」

 異分野協働の例として、臨床医学と数学の協働例を紹介します。用語や文化が全く異なる分野間での協働には困難がつきものですが、それを乗り越えていく過程と、そこで数学が果たす役割について述べていきます。

岡山大学大学院 環境生命科学研究科 教授・博士(工学)  水藤寛

13:10~14:40

 有限と無限のあいだ: 理論計算機科学入門

 理論計算機科学とは、「物理学が自然現象を相手にするように、計算機という対象を、数学を使って研究する分野です。その中の一大テーマ、「有限のフォーマリズムで無限をとらえることの面白さと難しさ」について、オートマトン理論を例に解説します。

東京大学大学院 情報理工学系研究科 准教授・PhD  蓮尾一郎

15:00~16:30

 数理科学と諸分野の協働:まとめに代えて

 数学・数理科学と諸分野の様々な協働の例を紹介し、数学・数理科学が社会に提供できるものは何か、数学・数理科学とどうやって「利用」したらよいのか、を考えます。

岡山大学大学院 環境生命科学研究科 教授・博士(工学)  水藤寛

※やむを得ない事情により、日程・内容等の変更や中止をする場合がございます。
※講義中の録音・描画・写真撮影はお断りいたします。

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ありがとうございました。

主催

公益財団法人 神奈川科学技術アカデミー

後援・協賛:(一部申請中)

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