進化を遂げるμ-TAS lab-on-a-chip organ-on-a-chipコース
ー募集を終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。ー
日程
平成31年1月 21日(月)、22日(火)、23日(水) 全日程3日間 *1日単位の選択受講も承ります。
定員
20名 先着順にて承ります。
開催場所
かながわサイエンスパーク内 講義室 (川崎市高津区坂戸3-2-1)
◆ JR南武線「武蔵溝ノ口」・東急田園都市線「溝の口」下車
シャトルバス 5 分
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◆ JR 新横浜駅より東急バス(有料)直行「溝の口駅」行き30 分
「高津中学校入口」下車徒歩3 分
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対象者
このような方にご受講をお薦めいたします
★超小型センサーやバイオチップなどの開発に携わる方
★創薬スクリーニング、細胞医療研究などにμ-TAS技術を活かしたいとお考えの方
★エレクトロニクスデバイスの設計、開発、製造、実装などに携わる方
★射出成形、めっき、印刷、精密測定・・・・自社の技術を、微細加工分野に活かしたい またその可能性を探りたい方
★検査・化学分析等の業務に携わる方
★紙、繊維、ポリマーなどを使った新素材開発やその用途探索に携わる方・・・など
受講料
区分 | 全日程 | 1日単位 | |
A.神奈川県外企業 | 53,000円 | 20,000円 | |
割引対象 |
B.KISTEC パートナー団体会員 C.神奈川県内中小企業※ |
42,400円 | |
D. 上記C以外の 神奈川県内企業 E.神奈川県内在住の個人の方 |
47,700円 |
※神奈川県内中小企業とは・・・
本社または事業所が神奈川県内にあり、資本金が3億円以下または企業全体の従業員数が300名以下の企業
●カリキュラム編成者からのメッセージ●
マイクロタス(μ-TAS: micro-Total Analysis Systems)やラボオンナチップと呼ばれる研究が国内で本格化してからおよそ二十年、いま、この分野の研究は、想定していなかった大きな広がりを見せています。微量物質の簡便・迅速検出を得意とする lab-on-a-chip の高精度化は一分子計測を可能とし、チップ上に臓器機能を「再現」させて、バイオ・医療分野への応用展開を試みる “organ-on-a-chip “は急速に進化しています。
デバイス作製技術も多様化してきました。ガラスやプラスチックの薄板上に、半導体製造技術を使って微細な加工を施す方法は主流を占めつつも、紙と印刷技術でより簡便・安価に作り、使える新しいデバイスや、ナノ構造体を利用した高性能分析・解析が可能なチップ、分子間相互作用を利用した新しい遺伝子解析チップなどの開発が進んでいます。
本講座では、研究動向や開発の現状を理解した後、organ-on-a-chip の最先端事例をご紹介しま す。さらに、高機能化、高精度検出の進む lab-on-a-chip で何ができるのか、解説します。「実用」 に適うμ-TAS とはいったいどんなものなのか、どちらの方向を目指して開発を進めていくべきか?この講座がみなさんとともに考える機会となれば幸いです。
カリキュラム日程/講義内容
1月21日(月)現状と課題 新機能デバイス | |
10:00~12:00 |
<μ-TASはどこまで進んだかー” 実用化” は何を目指すか> 1990年代後半にスタートしたmicro-TAS研究は、20年の間に次々と斬新な用途や方法論が開拓され、当初の予想をはるかに凌ぐ広がりを見せています。本講義ではまず、micro-TASの大きな流れを把握し、micro-TASのいまとこれからを俯瞰します。併せて、現在取り組んでいるドラッグデリバリー応用やオンサイト分析、 POCT分析について紹介します。 北海道大学 大学院 工学研究院 教授 渡慶次 学氏 |
13:00~15:00 |
<電気化学および表面プラズモン共鳴法によるエピジェネティクス分析チップ> DNA中のシトシン5位のメチル化パターンと、各種疾患との相関は誰もが認めるところであり、今後、次世代シーケンサーのような網羅的解析技術と共に、医療・診断応用を見据えた迅速かつ信頼性の高いメチルシトシン検出法の実現が重要になることは必至です。本講義では、マイクロデバイスによる迅速なメチル化DNAの分析を目指して推進中の電気化学および表面プラズモン共鳴法による新規分析手法や、材料、デバイスの研究開発について解説します。 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 ナノバイオデバイス研究グループ グループ長 栗田 僚二氏 |
15:20~17:20 |
<ペーパーマイクロフルイディクス> チップの素材に「紙」を用い、インクジェットプリント技術を使って作製できる「ペーパーマイクロ流体分析デバイス」をご紹介します。高精度の検出が可能でありながら、デバイスの作製、測定、検出に加え、使用後の廃棄も簡便に行えることから、グローバルヘルスケアの重要なツールとして世界が期待を寄せる技術の開発動向、今後の課題について解説します 慶應義塾大学 理工学部 教授 ダニエル・チッテリオ氏 |
1月22日(火)生体機能の再現 organ on a chip | |
10:00~12:00 |
<Organ-on-a-chip 開発の現状/骨髄機能を再現するデバイス> チップ上に細胞を培養、育成して臓器や血管などの生体機能を模倣的に再現するデバイスの開発を目指して急速に発展するOrgan-on-a-chip。動物実験に代わる創薬スクリーニングや医療検査ツールとしていま最も注目される技術の開発状況と、骨髄機能の再現を目指す新しい研究の動向を紹介します。 京都大学 白眉センター 特定准教授 工学研究科 マイクロエンジニアリング専攻 鳥澤 勇介氏 |
13:00~15:00 |
<細胞培養マイクロデバイスと毛髪再生医療> 微細加工や電気化学的手法を用いた細胞培養デバイスについて解説します。特に、幅広い層からのニーズが想定される毛髪の再生医療の開発状況や厚みのある組織作製のための血管構造の導入技術などについて解説し、実用化に向けた課題を探ります。
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15:20~17:20 |
<圧力駆動型Microphysiological Systemsの開発> 複数の臓器機能をチップ上に連結させ、薬物動態スクリーニングなどに応用できる生体模倣デバイス(Microphysiological Systems, MPS)の研究、開発動向をご紹介します。特に、生体内循環システムを模して独自に開発した圧力駆動型灌流・循環培養システムにより、容易にスループットを向上させられるMPSのメリットや、実用化への課題解決に向けて、流体力学、材料化学、製造技術、細胞生物学など多様な領域の知見が必要とされる状況について解説します。
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1月23日(水)ナノ計測・新たな応用 | |
10:00~12:00 |
<ナノフルイディクス> 細胞一個、分子一つの機能や動きを測りたい。そのためにはチップデバイスの内部構造をさらに微細化し、物質の検出感度を濃度Mから可算個分子へと変格するとともに、lab-on-a-chipの扱う領域をナノの世界に広げる必要が生じます。ナノフルイディクスは分析デバイスの極限を実現するツールとして、現在大きく進展しようとしています。これらナノフルイディクスの技術と極限デバイス応用について紹介します。
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13:00~15:00 |
<ナノワイヤチップによる尿中microRNA解析> ナノワイヤチップとは、チップ内に酸化物ナノワイヤ空間を作りこみ、尿中の微量なエクソソーム(がん細胞が放出する特異的な物質)を効率よく回収できる高機能ナノバイオデバイスです。尿中マイクロRNA検出技術と機械学習解析技術との組み合わせで、高特異度・高感度ながん診断を可能にする新たな技術の紹介と、注目のエクソソーム解析への応用例を紹介します。 |
15:20~17:20 |
<フィールド用ロバストチップと水質逐次計測> 生活環境において、無駄なく、効率的に水を利用していくためには、現場での継続的な水質監視が有効です。そのため化学分析の機能を流体デバイスとして集約し、屋外での使用に耐える頑強さと性能を備えた水質計測システムの実現を目指しています。農業分野への応用可能性についても紹介します。
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後援 ・ 協賛 ( 一部申請中 )
(公社)日本分析化学会、(一社〕日本分析機器工業会、 ( 公社 ) 精密工学会、( 公社 ) 日 本材料学会、(一社)資源・素材学会、( 公社 ) 応用物理学会、(公社)高分子学会、(一 社)電気学会、( 公社 ) 電気化学会、(一社)表面技術協会、( 公社 ) 日本表面科学会、(公社)応用物理学会、(一社)繊維学会、NPO法人機能紙研究会、(一社)日本印刷学会、(一社)エレクトロニクス実装学会、(一社)電子情報技術産業協会、(一社) 日本電子回路工業会、日本電子材料技術協会、(一社)色材協会、(一社)触媒学会、(公社) 化学工学会、(一社)電気学会、川崎商工会議所、(株)ケイエスピー 、(公財)大田区産業振興協会
主催
地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所
共催
(一社)化学とマイクロ・ナノシステム学会