研究者、技術者のための応用数学

開講時間

2019年11月27日(水)、28日(木)、29日(金)
いずれも1 0 : 0 0 ~ 1 7 : 1 0
全日程3日間  1日ごとの選択受講も承ります。

募集人員

12名  先着順にて承ります。

対象者

企業、研究機関にご所属で、
●業務の中でシミュレーションや解析を行いながら、この計算の寄って立っているところがわからない、と悩む方。
●数値シミュレーションの基盤となっている数学を知りたい方
●学生時代は何の役に立つのかわからず数学に対する興味を失ってしまったが、社会に出てからその必要性を再認識している方
●生命科学・医療・環境・流通など、諸分野の課題を数学的手法で解決できたら・・・と考える方

開催場所

かながわサイエンスパーク内 講義室  (川崎市高津区坂戸3-2-1)
◆ JR南武線「武蔵溝ノ口」・東急田園都市線「溝の口」下車
 シャトルバス 5 分
>> Mapはこちら

◆ JR 新横浜駅より東急バス(有料)直行「溝の口駅」行き30 分
  「高津中学校入口」下車徒歩3 分
>> アクセスはこちら

本講座の講師

東北大学  材料科学高等研究所・教授 博士(工学)  水藤 寛 氏
東京大学  大学院数理科学研究科・教授 博士(理学) 齊藤 宣一 氏
北海道大学 電子科学研究所 附属社会創造数学研究センター・教授 博士(数理科学)     長山 雅晴 氏

カリキュラム編成者からのメッセージ

 現代の科学技術は、その多くが陰に陽に数学に依拠しています。日常生活でそれを意識することはほとんどないとしても、何かを作ろう、改良しようという立場にある人にとって、数学とのつきあいは避けては通れません。また、イノベーションを起こすには一つの分野を極めるだけでは済まず、多くの分野の協働が不可欠です。ここでも諸科学の共通言語である数学に必ず向き合うこととなります。
 数学との「つきあい」の歴史も人さまざまです。社会に出てから日々の業務で様々な問題に直面し、「数学をもっとやっていたらよかったなぁ」と思ったりもしている方々を思い浮かべつつ、本講座は3年前から始まりました。これまでに参加して下さった皆様からのフィードバックを元に、今年度は現象を数理モデル化することと、そこに現れる偏微分方程式を(近似的に)解くための差分法の理論に的を絞ることとしました。最初は、大学初年級での微分積分、線形代数の復習から入ります。大学で勉強したときは、何の役に立つのかわからなかったこまごまとしたことが、実は全て実体を持っているのだということを感じていただきたいと思います。
 比較的少人数の講座として、わからないことも質問しやすい雰囲気を作りたいと思います。「もう一度数学がやりたい!」という方々とお会いできるのを楽しみにしています。

東北大学 材料科学高等研究所 教授・博士(工学) 水藤 寛 

受講料(消費税込)

区分 全日程 1日単位
A、神奈川県外企業 59,000円 21,000円
割引対象

B、KISTEC パートナー団体会員
C、神奈川県内中小企業

47,200円

D、C 以外の神奈川県内企業
E、神奈川県内在住の個人の方

53,100円


神奈川県内中小企業とは・・・神奈川県内に事業所があり、資本金が3億円以下または 企業全体の従業員数が300名以下の企業

カリキュラム内容と日程

11月27日(水)

時間 講義項目 講師

10:00~11:20

<大学初年級の数学の復習1>流れの数値シミュレーションと微分積分

 流れのシミュレーションを題材に、大学初年級の微分積分学との関係を紹介します。微分方程式の性質と実際の現象の特徴との関係、部分積分の意味、フーリエ変換の理解、などを取り上げ、実際の問題に役に立っている例を示しながら、このあとの講義への準備とします。

水藤 寛

12:30~13:50

 <大学初年級の数学の復習2>流れの数値シミュレーションと線形代数

 流れのシミュレーションを題材に、大学初年級の線形代数学との関係を紹介します。座標変換、行列式、対称行列と反対称行列への分解、直交化、固有値固有ベクトルなどを取り上げ、実際の問題に役に立っている例を示しながら、このあとの講義への準備とします。

水藤 寛

14:10~15:30

<数理モデル1>数理モデル初めの一歩

 身近に見ることができる非線形現象を理論的に解明する道具としての数理モデリングについて講義を行います。最初の一歩として、数理モデリングの構成手法について解説します。まず,数理モデルの構築法が確立している化学反応の数理モデリングについて講義します。1次反応、2次反応、複合反応、自己触媒反応、発熱反応に関する数理モデリングを解説します。最後に、応用として酸化反応と還元反応が自発的に起こるBelousov-Zhabotinsky反応の数理モデリングを行います。この講義では物理学や化学の基本知識を前提としないように必要な知識は講義中に説明します。ここでは微分方程式あるいは漸化式を用いて数理モデルを表現します。 

長山 雅晴

15:50~17:10

<差分法の理論1>境界値問題の数理と差分法

 単純な二点境界値問題を対象にして、微分方程式を解く際の基本概念である、グリーン関数、最大値原理、解の連続依存性などについて解説します。その後、二点境界値問題の差分法による近似解法を導入し、その性質を解説します。初歩的な微分積分学と線形代数学の知識を使います。すでに1限,2限で、応用の視点からの簡単な解説がありますが、それを数学理論の立場から、再度復習することで、より理解がすすみます。。

齊藤  宣一

 

11月28日(木)

時間

講義項目

講師

10:00~11:20

<数理モデル2>数理モデルを作ってみよう

 基本的なBelousov-Zhabotinsky反応の数理モデルに対して、実験から得られたデータを基盤として数理モデルを縮約する手法について解説します、数理モデルを数学として取り扱うために必要な無次元化という手続きも解説します、そして,パターン形成の理解に必須である拡散現象のモデリングを解説します、最後に,演習として化学反応の数理モデリングに取り組んでもらいます。

長山 雅晴

12:30~13:50

<数理モデル3>生態学における数理モデル

 生態学の分野で取り扱われている個体群密度動態の基盤となる数理モデリングについて解説します。この講義では化学反応モデリングと同じアナロジーで個体群密度動態モデルが構築できることを説明します。その数理モデルから競争系モデルを構成します。最後に演習として3種競争系数理モデルを構成してもらい、数理モデルの構成方法について理解を深めることを目指します。この講義では力学系の基礎理論を用いますが、必要な知識は講義中に解説します。

長山 雅晴

14:10~15:30

<差分法の理論2>熱方程式の数理と差分法

 熱伝導方程式の数理、すなわち、フーリエの変数分離法、最大値原理、解の平滑化性などを、最初に概説したのちに、熱伝導方程式の差分近似を導入します。いろいろな解法(陽的、陰的)がありますが、最初に解説する熱伝導方程式の数理に基づいて、様々な視点から、各々の解法の長所と短所を検討します。とくに、安定性の意味を明確にします。

齊藤 宣一

15:50~17:10

<数値シミュレーション応用1>可視化の技術

 数値シミュレーションの結果は数字の羅列ですから、その意味するところを研究者自身が理解し、他人に説明するためには可視化の技術が欠かせません。ここではその数学的・物理的な基礎について述べ、空間3次元+時間に依存する現象の可視化についての考え方と技術を紹介します。

水藤 寛

 

11月29日(金)

時間 講義項目 講師

10:00~11:20

<差分法の理論3>安定性と収束性

 引き続き、熱伝導方程式の差分法について、理論的な考察をします。2日目3限の講義で解説する安定性の概念に基づいて、今度は、収束性の証明や収束の速さの評価を行います。Laxの同値性定理やvon Neumann条件など、差分法における重要概念を解説します。引き続き、初歩的な微分積分学と線形代数学の知識のみを使いますが、関数解析への入門となることを意識して行います。(関数解析は、より複雑な問題の数値解法を考察する上で、重要な分野です。)

齊藤 宣一

12:30~13:50

<数理モデル4>数理モデルの評価

 数理モデルはいくつかの仮定のもとで構成されているために,数理モデルが現象を再現しているだけでは数理モデルの評価は十分ではありません。では数理モデリングの評価はどのようにしたらよいのでしょうか?この講義では,実際の数理モデリング研究の中で行った数理モデルの評価方法について幾つかの事例を解説し,数理モデルの評価について理解を深めてもらいます。最後に時間があれば,実験データを使った数理モデリングの評価方法について解説します。

長山 雅晴

14:10~15:30

<差分法の理論4>有限体積法、有限要素法と差分法

 再度、単純な二点境界値問題を対象にして、有限体積法と有限要素法を導入し、差分法との比較を行います。各々の近似解法が、微分方程式のどのような性質に着目して導出されているのかを詳しく検討します。空間多次元の場合の有限体積法、有限要素法、差分法とその数理についても簡単に触れます。

齊藤 宣一

15:50~17:10

<数値シミュレーション応用2>他分野との連携

 異分野協働の重要性が言われるようになって久しいわけですが、分野が異なれば考え方も用語も習慣も異なり、その協働にあたっては実際には多くの困難に直面します。ここでは数学・数理科学と諸分野の協働を目指すJSTの戦略研究領域の活動の中から、特に今回の講師が関わっている数理科学と臨床医学の協働例を紹介します。このような例を通して、数学・数理科学が社会に提供できるものは何かを考えます。

水藤 寛

 

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申込要項をご覧の上お申込下さいますようお願い申し上げます。

  • お申し込みは先着順にて承ります。
  • 申込締切後、受講決定者には受講票・受講料請求書等の必要書類をお送りいたします。
  • 申込締切後でも、定員に余裕がある場合は申込を受付けられる場合がございますのでお問い合わせ下さい。

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【個人情報の利用及び提供の制限】
  • 申込書にご記入いただいた個人情報は、当所の事業等に関する情報の提供や参加者募集の案内等の範囲内で利用又は提供いたします。
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主催

地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所

人材育成部 教育研修課 教育研修グループ
TEL : 044-819-2033 FAX : 044-819-2097

E-mail:ed@newkast.or.jp

後援・協賛(一部申請中)

国立研究開発法人 科学技術振興機構 (一社)日本数学会 (一社)日本応用数理学会 (公社)応用物理学会(一社)日本機械学会 (一社)日本鉄鋼協会 (公社)精密工学会 (一社)日本複合材料学会(一社)日本鋼構造協会 (公社)日本材料学会 (一社)日本原子力学会 (一社)日本シミュレーション学会 (一社)日本流体力学会 (一社)日本計算工学会 (公社)化学工学会 (一社)電気学会 (一社)日本ロボット学会 (公社)日本医学放射線学会 (公社)高分子学会 (公社)地盤工学会 (公社)土木学会 非線形CAE協会 (一社)日本燃焼学会 (公社)日本電熱学会 (一社)日本画像学会 (一社)可視化情報学会 (一社)人工知能学会 (公社)計測自動制御学会 川崎商工会議所 (株)ケイエスピー