技術開発可能性評価支援内容:平成30年度

テーマ1:精密農業用ドローンシステムの開発

目的

 酒造米に限らず、農業の現場では、担い手となる労働力不足が深刻となっており、IoT 活用等による省力化、重労働軽減を進めることが求められている。一方で、飛行時間が短いものの容易に広範囲の情報を収集できることから、ドローンの活用が多方面で進んできている。そこで、酒造米の生産現場でドローンによる情報収集を実施し、生育管理への活用の可能性について検討を行い、研究開発補助事業へ提案するための基礎資料を得る。

可能性評価の具体的な実施内容と結果

具体的な実施内容は大きく分けて、

○ ドローンを使用した生産現場におけるデータ収集体制の確立

○ データ収集の実施

○ データ解析と生育管理への活用方法の検討

3つとなる。

 本年度は継続的に使用できるドローンを確保し、操縦要員育成の体制を整えた。酒造米の生育状況の把握は、現状は圃場の一部の目視による確認で行っているため、生育ムラが生じる可能性が大きい。今回、マルチスペクトラムカメラ搭載のドローンを用い、泉橋酒造株式会社に隣接の圃場にて可能性評価を行った結果、広範囲の生育状況や健康状況の把握及び収穫時期の予測等の可能性を確認できた。

本可能性評価により、酒造米の生産現場におけるIoT 活用等による省力化・軽労化を進めるための基礎資料を得ることができた。今後は国の研究開発助成事業等への応募を検討する。

 

 

 

 

 

評価

マルチスペクトルカメラ搭載のドローンにより広範囲の圃場における酒造米生育状況等を把握できる可能性が得られた。実験を継続しデータを蓄積する事により、その可能性を向上できると見込まれる。

 


テーマ2:遠隔操作における遠隔環境の情報提示手法に関する研究

目的

 現状では遠隔位置から操作者が建設機械を直接視認して遠隔操作しているが、より安全性・確実性を高めるために、建設機械に取り付けたカメラの映像を用いて遠隔操作を行うニーズが高まっている。しかし、映像のみによる遠隔操作の場合、作業性が損なわれる。そこで、映像を用いた建設機械の遠隔操作の作業性を向上させるシステムを考案・構築したので、性能を評価する。

可能性評価の具体的な実施内容と結果

 油圧ショベルにコーワテック(株)の遠隔操作ロボットSAMを用い、図1に示す提案システムを構築した。本システムの最大の特徴は、遠隔位置から油圧ショベルを視認するカメラ(環境カメラ)からの映像を用いないでも遠隔操作が可能な点である。

 評価としてアーム先端のブレーカが、ターゲットに対して①効率よく、②精度良く、接触できるかを検討した。評価指標として、①にはタスクにかかった時間を用い、②にはタスクにおいて発生した位置合わせに関する失敗の回数を用いた。また、提案システムを環境カメラからの映像を用いた従来システムと比較した。

 その結果、本来、環境カメラを用いないで遠隔操作することは困難であるところ、本提案システムによりこれを可能にできた。その性能を従来システムと比較したところ、①効率の低下を抑制しながらも、②精度を有意に向上させることができた。

 改善点として、遠隔操作の作業者に、よりわかりやすいインタフェースが望まれる。

評価

 実用性が十分確認できた。製品化にあたっては、ユーザーインタフェースのわかりやすさの向上が望まれる。