周波数変換器によるミリ波帯IoT 機器 の評価技術の検討

●研究期間:平成30年4月〜平成31年3月
●実施場所:海老名本部
●研究担当:電子技術部 電磁環境グループ

研究概要

ミリ波(30GHz 〜300GHz)は、衛星通信・固定無線アクセスを始めとした基幹システムに利用されてきました。しかし、半導体技術などの技術革新に伴い、無線LAN・車載レーダ・人
体スキャンなどIoT(Internet of Things)/ EoT(Enterpriseof Things / Edge of Things)機器への用途が期待されます。加えて、ミリ波は、他の周波数帯に比較して空き周波数が多く、異なる活用方法も期待されます。

 これまでKISTEC の既存設備ではマイクロ波(3GHz 〜30GHz)まで対応していました。本研究では、廉価な周波数変換器により60GHz-90GHzに対応したミリ波測定システムを構築しました。次に、構築したシステムの基本的な特性であるアンテナパターンと周波数スペクトラム歪みについて説明します。

 アンテナパターンはアンテナから送受信される電波の指向性を表すもので、電波暗室内で測定しました。図 1に示す角錐ホーンアンテナのアンテナパターン(63GHz)では、特定方向への電波の放射強度が確認できました。図 2の周波数スペクトラム歪みは、ベースバンド信号(中心周波数が0Hz の直交信号)に対してプラスの周波数側及びマイナスの周波数側に信号が漏れ出すことを意味します(spurious:不要波)。デジタル信号処理前は、図 2( a)に示す通り歪みが生じていましたが( 0Hzの成分と脇の歪み成分の差:38dBc)、処理後は、図 2( b)に示す通り歪みを改善(57dBc)することができました。

 廉価な周波数変換器と信号処理技術による簡易的なミリ波測定システムを構築しました。

 今後、アンテナ測定・高周波測定・デジタル信号処理などの技術支援を行っていく予定です。

図1 角錐ホーンアンテナ並びにアンテナパターン

図2 デジタル信号処理前後の周波数スペクトラム歪み