化学発光測定による プラスチックの劣化評価

●研究期間:平成29年4月〜平成31年3月
●実施場所:海老名本部
●研究担当:化学技術部 環境安全グループ

研究概要

 プラスチックは熱や光などの作用によって徐々に劣化が進行します。例えばプラスチック劣化促進試験として耐候性試験などが利用されていますが、プラスチックの長寿命化設計により、その試験時間も長時間必要になってきています。そこで比較的短時間の劣化促進時間で、劣化状態を観測(評価)する方法として化学発光測定法が注目されています。本測定法は、プラスチックの酸化劣化によって生成する過酸化物由来の微弱な発光を高感度に検出することができます。

 本研究では汎用プラスチックの一つであるポリプロピレンを対象に加熱および光照射処理を施し、試料の劣化を化学発光測定法ならびに従来から劣化評価法として用いられている赤外分光法により評価をしました。その結果、赤外分光法では数十時間処理した試料で初めて劣化の指標となるカルボニル基の生成が確認されたのに対し、化学発光測定法では数時間の処理で発光を確認することができました。検出までの処理時間の違いは、化学発光測定では自動酸化反応の極初期段階に生成する過酸化物由来の発光を観測するのに対し、赤外分光分析では自動酸化反応の進行に伴って生成したカルボニル基を検出することに起因します。本研究はプラスチックの劣化評価期間を短縮する技術として、製品開発、品質管理、安全性評価などへの応用が期待できます。

図1 化学発光測定装置の構成の概要

図2 80℃で光照射した試料の測定結果

図3 推測されるポリプロピレンの劣化反応機構