「高効率燃料電池開発」グループ

固体高分子形燃料電池のための新規電解質膜、新規触媒層を開発し、それぞれをコーディネートすることにより広い温度、湿度、電流密度領域で高い性能を示す燃料電池を目指します。

グループリーダー

プロジェクトリーダー: 山口 猛央

山口 猛央
東京工業大学
科学技術創成研究院
化学生命科学研究所 教授

研究体制

期間

(有望シーズ展開プロジェクト)
「高効率次世代燃料電池開発」プロジェクト

 2013年4月~2017年3月


(実用化実証事業)
「高効率燃料電池開発」グループ

 2017年4月~

構成

    • グループリーダー
    • 常勤研究員
    • 非常勤研究員
    • 科学技術コーディネーター
    • 研究協力員

実施場所

東京工業大学すずかけ台キャンパス内
KASTプロジェクト室

TOPICS

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研究概要

 

 現在の科学技術では、化学物質から仕事(電気)への変換効率は極めて低く、自然界が教えてくれる理想的変換効率の半 分にも満たない状況です。なるべく早く「エネルギー資源を大切に使う社会」を達成しなければ、化石燃料の枯渇や地球温暖化問題を避けて通れません。新たな発電(化学物質→電気)技術が必要不可欠となっています。 近年注目されている燃料電池のうち、特に固体高分子形燃料電池(PEFC)は、低温作動、小型で移動が可能であり、必要な場所で、必要なときに、必要な量を高効率に発電できる優れたシステムです。日本では世界に先駆け、定置用のエネファームは既に15万台が設置され、燃料電池自動車の販売も開始されました。しかしながら、普及技術とするためには、さらなる技術革新が必要です。 常温から100℃程度の低温で高効率に発電できるPEFCは、水素イオンを伝導するために、電解質に必要な水分の供給・調整が必要ですが、これが高効率化、信頼性向上を妨げています。さらに、白金使用量の低減も大規模普及前に達成すべき課題です。燃料電池自動車の白金使用量を 10 分の 1 程度にまで低減できれば、燃料電池に用いる白金量は、ガソリン自動車の排ガス触媒に使用する貴金属量と大差なくなります。電解質膜や触媒層などを革新的に改善することで、低湿度から高湿度の幅広い範囲での運転を可能にし、水を液体水ではなく気体の水蒸気として扱える100℃以上での運転が可能となれば、信頼性、低コスト化だけで無く、大幅な効率向上が実現できます。物質の移動速度が原因で電池出力が限られている現状も、新しい発想で解決することが可能です。 本グループでは、有望シーズ展開プロジェクトで得られた材料や技術を基盤とし、低白金、高耐久、高効率なPEFCの実現を目指します。デバイスにとって、真に必要な材料機能を、分子から設計し、ただ面白い材料を開発するのでは無く、狙った機能を分子・ナノ・メソ・マクロとシステム的に設計し、新しい膜および触媒を短期に開発します。低コスト・高効率なPEFCの開発課題は既に明確であり、膜性能の湿度温度依存性の緩和、活性向上から触媒の白金含有率低減、膜と触媒の耐久性向上を実現すると共に、デバイスとしての物質移動の促進、高出力化、耐久性向上を実現します。これらを実現することによって、大型発電所に頼らない、「エネルギー資源を大切に使う社会」を構築できると考えています。

研究内容

低白金・高耐久 カーボンフリー触媒層の開発

 本グループは、従来の触媒とは大きく構造と特性の異なる新しいカーボン担体フリーの触媒層材料を開発しました。この新規材料は、規則配列(超格子)構造を持つ白金合金ナノ粒子が連結したネットワークで形成される多孔中空カプセル状の白金合金ナノ粒子連結触媒です。開発した触媒は、カーボン担体フリーで耐久性に優れ、既存の白金触媒よりも9倍高い触媒活性を示します。 本事業では、白金合金ナノ粒子連結触媒の実用化へ向けて取り組み、高耐久・高出力で、高価な白金を大幅に低減したカーボンフリー触媒層を実現します。さらに、白金合金ナノ粒子連結触媒の精緻な構造制御・解析を通して、さらなる高耐久化、高活性化を目指します。

高温・低加湿対応 酸高密度型電解質膜の開発

 本グループは、高密度に酸官能基が集合した構造(酸高密度構造)において、水が少ない環境でも高速にプロトンが伝導する機構(Packed acid mechanism)を発見しました。電解質ポリマーの分子設計、電解質ポリマーを多孔質膜の微細孔内部に充填する細孔フィリング技術を駆使して、酸高密度構造を構築し、100℃以上の高温耐性、高温低加湿運転に対応できる電解質ポリマー・膜の開発を行います。

低白金・高耐久・高温低湿度対応「高効率燃料電池」の開発

 開発したカーボンフリー触媒層および高温低湿度対応電解質材料を融合し、膜・電極接合体(MEA)を作製し、燃料電池特性の評価を行います。高速に物質が移動する触媒層構造の構築、電解質膜の薄膜化による燃料電池全体での水管理、さらに高度なシミュレーション技術も駆使し、より効率の高いデバイス設計を検討し、最終的に高温低湿度で高性能・高出力を低白金で実現する高効率燃料電池の実用化を目指します。

【お問合せ】
研究開発部 研究支援課 研究支援グループ
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E-Mail : res☆newkast.or.jp (☆を@にご変更ください)